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Last Update : 2004.09.09

自己血輸血の自署に関して

Question 88

 自己血輸血に際して、自己血採血した患者さんの血液バッグラベルへの「自署」は法的に強制されているものでしょうか?しなかった場合、罰則はあるのでしょうか?

Answer

 自己血輸血のガイドラインとしては、『自己血輸血:採血及び保管管理マニュアル』があります。これは、厚生省の委託事業として、(財)血液製剤調査機構に自己血輸血:採血及び保管管理マニュアル作成小委員会並びに同作業部会が設けられ、平成6年12月2日にまとめられたものです。

 その後、日本輸血学会と日本自己血輸血学会合同の自己血輸血ガイドライン改定案作成小委員会が、自己血輸血ガイドライン改定案を作成し、平成13年に日本自己血輸血学会誌 (第14巻 第1号 1-19ページ)に公表しました。こちらは厚生労働省医薬局血液対策課が中心となった委員会で論議され、成案となる予定ですが、いまだ報告がない状況です。

 『自己血輸血:採血及び保管管理マニュアル』では、採血方法の 1)自己血採血ラベルの確認と自著 の中で、「自己血ラベルには、診療科名、生年月日、ID番号、血液型、採血量、採血年月日、使用予定年月日、有効期限、採血者氏名などを記載する。それらを確認の上、患者氏名を本人又は保護者に自著してもらう。」とあります。ちなみに、自己血輸血ガイドライン改定案の中では、採血方法の項目に 8)自己血ラベルの署名 という項目があり、「患者本人又は代諾者が確認し、自己血ラベルに患者氏名を署名(記名)する。」とあります。

 ガイドラインですので、自著をしなかった場合でも法的に処罰されることはありません。

 実際、本人が手の障害等で署名出来ない状況もあります。その場合、当院では担当医に代筆してもらい、それを本人に確認してもらいます。ガイドラインは、安全に自己血輸血が行える最低限の基準を示していますので、同等かそれ以上の安全性が確保できれば他の方法でも良いと思います。

 ですが、採血直前に本人に自著してもらうことは、ラベル間違いがほとんど起こらない確実な方法だと思います。院内マニュアルを作成する場合に、その施設の責任においてガイドラインと違う方法に変更することは可能と思います。

 ただ、事故が起こった場合、マニュアルに問題がなかったか、問われる場合もありますので、安全性を十分検討して変更する必要があります。

参考:自己血輸血:採血及び保管管理マニュアル

(近畿大学医学部附属病院輸血部 金光 靖



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