Dairingi icon >  大臨技TOP > 臨床検査Q&A Index >  臨床検査Q&A Q83
Last Update : 2004.05.30

血液型判定法について

Question 83

 今の病院では、血液型オモテ検査は、紙の上で、抗A,抗B,抗Dを一滴づつおき患者さんの血液を少しとり、混ぜてその後、すぐにガーゼで余分な液を吸い取ります。それも、一人ずつやるのです。なぜ、すぐ吸い取るのか質問したら、反応を止める為、また、血液型判定用紙にのせたままだと、紙なので紙がとけてきて擬陽性になるからというものです。これには、私としては、少し疑問???に思います。

 抗体と患者 さんの血液を混ぜて、すぐに余分な液をガーゼで吸い取る必要があるのでしょうか?凝集が弱い人は、ゆっくり反応すると思うので、抗体と血液を混ぜて2〜3分は、反応してから、余分な液を吸い取った方が良いと思うのですが。。。

 また、余分な液を吸い取る必要があるのでしょうか?(以前勤めていた病院では、そのまま自然乾燥でした)血液型判定用紙は、多少は撥水性があるように思うのですが、紙がとけて、擬陽性という事があるのでしょうか?

Answer

 試薬の使用説明書には、スライド法の場合2分以内に判定を行うとあり、何分以上観察しなければならないとの記載はありません。これはあまり長くおくと乾燥による疑陽性が起こる可能性があるための注意と思われます。正常であればほとんどは15秒以内に凝集が始まりますが、A2B3などの抗原の弱い亜型の場合は、1〜2分後にやっと凝集が観察される場合もありますので、最終判定はやはり2分後ぐらいに行う必要があります。

 相談の余分な液を吸い取る件ですが、すぐに混和された検体を吸い取ってしまうと、反応を止めると表現されているように、凝集していない場合は、その後の反応が十分起こらない・観察できないという可能性があると思います。どうしても吸い取るのであれば、やはり2分間程度観察し、凝集の最終判定が終わってからにした方がよいと思います。紙がとけて疑陽性になることは、まずないと思いますが、実際に使われている用紙で何回か試してみればわかると思います。

 また、判定用紙の上に乾燥させて保存する方法は、院内の運用上すぐには変更出来ないかもしれませんが、廃止することも検討してはどうでしょうか。ラミネートでシールするところもあるようですが、感染症陽性検体も含まれることから、そのままの状態では置いておくのは衛生面で問題があると思います。

 それから、抗Dの反応も同様にされているようですが、D抗原の検査は、ABO血液型の検査にくらべ反応が弱い場合も多く、この方法だとやはり誤判定が起こりやすいのではないでしょうか。(使用説明書ではD抗原の検査をスライド法で行う場合は、スライドの表面温度を40〜45℃に温めて行うとされています。)D抗原の判定は、試験管法も一度検討されてはどうでしょうか。

(社団法人 大阪府臨床検査技師会)



前へもどる   Indexへもどる   次へ行く

 Copyright (C) 2004 Osaka Association of Medical Technologists. All rights reserved.
wwwosaka icon