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Last Update : 2003.10.9

血小板の時間的検査について

Question 64

 血小板の値が時間がたつにつれて減っていく、というのは、何か原因が考えられますか?

 1週間前に13万くらいから一気に3万くらいまで減った方がいて、その時は、検査センターにも確認を取り、3万という値で報告をしました。そして、1週間位その値が続いたあと、測定したら、いきなり13万という結果が出たのです。

 1日で、特に薬が変わったわけでも、状態が変化したわけでもないのに、10万もあがってしまったので、いろいろ調べてみたり、Drにも聞いてみたりしたのですが解決せず、2時間後位に測定してみたら、次は、7万に下がっていたのです。そして、5分後くらいに今度は5万くらいになってしまい、30分後には3万まで下がってしまいました。

 もう一度取り直してもらって測定したら、今度は5万くらいから、また下がっていって、最終的に3万くらいで落ち着いたのです。

 1週間くらい測っていた時は、いつも3時間くらいたった後の検体を測定していたので、そこでも時間的な経過の変化がおきていたのかはわからないのですが、原因がわからないのです。機械の精度管理上は問題はないです。あと、凝固スピッツで採血し、測定したら、3万くらいでした。

Answer

 この症例は、自動血球装置で経時的に血小板が減少するデータをどう考えたらよいかということだと思います。

 まず最初に、血球計数機の機種にもよりますが、上位機種ですと、血小板の凝集を検知するフラッグが測定結果に出ていないか?

 下位機種ですと、WBCの3峰性粒度分布のリンパ球のより小さい領域に血小板凝集の分布がかぶったような粒度分布になっていないか(この場合はWBC数が偽高値になっているかもしれない)を確認してください。もし、そうである場合はEDTAによる偽性血小板減少(血小板に対する自己抗体ができてEDTAにより血小板が凝集してしまう)が疑われます。ただし、採血がスムーズに行なわれて、凝固していない、あるいは凝固しやすい検体でないと仮定してです。その確認は、血小板が3万位の時に塗抹標本を作成して、血小板が凝集していないかを確認する。その際に凝固している時にみられるフィブリン糸がないかも確認します。

 凝固のスピッツ(たぶんクエン酸ナトリウム)でも採血されても血小板は3万だったそうですが、クエン酸ナトリウムでも凝集してしまう患者もいるので、とりあえず標本で血小板凝集があるかを確認してみないとわかりません。より正確な血小板を測定するには、採血直後にすぐに測定するか、抗凝固剤を使わずに生血を血球計数機の希釈液で希釈してすぐに測定する、抗凝固剤を(EDTA濃度を増やす、ヘパリン、硫酸マグネシュウムなどに)変えて測定する、などの方法があります。

 もし、標本上で血小板凝集がなく、血小板がほんとうに少ないということになると、血球測定装置が血小板以外の何かを血小板として測定しているので、Brecher-Cronkite法で測定してみてください。

(社団法人 大阪府臨床検査技師会)



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