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Last Update : 2003.1.22

尿沈査の永久保存について

Question 55

 質問
以前に尿沈渣の実技の勉強会に行った時に尿沈渣の標本が永久標本になっていました が、尿沈渣の永久標本の作り方を教えてください。
(匿名)

Answer

回答

 尿沈渣は試料の性質上、「永久」標本の作製は困難ですが、尿沈渣成分を保存する
方法がいくつか考案されていますので紹介いたします。

 方法1(野崎らによる)
 1.pH7.4のリン酸Buf.用原液1本を蒸留水333mlに溶解する(0.2mol/l).
 2.25%グルタルアルデヒド(1級)10mlに上記のリン酸Buf.90mlを加え、保存液とする(冷暗所保存).
 3.保存する尿10mlをスピッツに分注し。沈渣を作成する.
 4.沈渣成分に0.4%EDTA加生食を10ml加え、混和後遠心し、沈渣を作成.
 5.沈渣成分に保存液を10ml添加し、混和後蓋をして冷暗所保存.

 方法2(八木らによる)
 1.100mlのメスフラスコにパラホルムアルデヒド(粉末・電顕用)1.5gを入れる(揮発性が強く、ドラフト内で行う).
   蒸留水40mlを加え、アルミホイルで蓋をし、60〜70℃で加温溶解する.
   (加温付スターラーで溶解を行う.溶解しにくく、透明化するまで約3時間要)
 2.ほぼ透明化した時点で、室温にて冷却.
 3.スターラーで攪拌しながら1N−NaOHを6滴加える(透明化が顕著となる).
 4.25%グルタルアルデヒド(液状・電顕用)を8ml加え、混和(安全ピペッター使用).
 5.0.2mol/lリン酸Buf.(pH7.4)を加え、全量100mlとし混和.
 6.1%CaCl2をスターラーで攪拌しながら6滴加える(保存液は冷暗所保存).

 使用時、必要量の保存液を蒸留水で約2倍希釈し、沈渣成分に1〜2ml添加、混和後蓋をして冷暗所保存.
 長期保存の場合は、保存液を5ml以上加え、冷暗所保存.

 以上の方法を用いれば、尿沈渣成分の長期保存が可能となります。

 参考文献
 1、伊藤機一(監),野崎司 他:尿沈渣ガイドブック.東海大学出版会,2000
 2、伊藤機一(監),八木靖二,都竹正文:尿中細胞アトラス.第2版,医歯薬出版,1998

(社団法人大阪府臨床衛生検査技師会 学術部 一般検査部会 佐々木正義)



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