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Last Update : 2002.06.17 (First Edition by 2002.04.05)

気管支肺胞洗浄液の細胞数

Question 32

 気管支肺胞洗浄液についての質問です。

 呼吸器科の医師が気管支肺胞洗浄液の検査をたびたびだされるので、細胞数の検査の仕方および正常値について悩んでいます。検査の仕方等はホ−ムペ−ジ等で調べた方法で今度やってみようかなと思っていますが、正常値等は書かれていませんでした。どれくらいになるのでしょうか?

Answer

 以下、気管支肺胞洗浄液(BALF)について簡単にお答えいたします。

  1. 細胞観察には通常Giemsa系染色標本で行います。
  2. 細胞観察における臨床側の主な目的は以下の3点です。
    • 白血球(炎症細胞)の数の算定と分類を行い、細胞増多の程度と細胞組成から各種びまん性肺疾患を推定する。たとえば、BOOPや過敏性肺臓炎ではリンパ球を主体とする軽度〜中等度の細胞増多、慢性気道感染症では好中球主体の高度増加、好酸球性肺炎では好酸球が増加 など。なお、細胞分類は血液像と同様に行います。
    • 真菌などの病原微生物やウイルス感染細胞などの発見。
    • 腫瘍細胞などの検出。
  3. 細胞数は通常、細胞数×10の5乗/mlであらわしますが、これは回収された洗浄液量と塗抹標本上の細胞数から半定量的に求めるものです。

 したがって、厳密な定量的細胞数算定を行うわけではありませんので、正常値(基準値)はありません。しかし、気管支,肺胞に異常がなければ異型に乏しいいくらかの気管支上皮や肺胞組織球を認めるのみで、白血球増加は認めないとされています。

文献

  • 前川芳明ほか:各種瀰漫性肺疾患と気管支肺胞洗浄液中の細胞成分との関係.医学検査10:1542〜1545,1995
  • 塚本孝久ほか:瀰漫性肺疾患における気管支肺胞洗浄液中の細胞形態学的ならびに免疫細胞化学的検討.医学検査vol.46, No.8:1215〜1218,1997

社団法人 大阪府臨床衛生検査技師会

 今回の回答は、大田喜孝先生(聖マリア病院中央臨床検査部技師長)に教えて頂きました。ありがとうございました。



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