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Last Update : 2002.04.05 (First Edition by 2002.03.07)

臍帯血の検査について

Question 31

 臍帯血の検査に血液一般検査と凝固検査の依頼がでます。凝固検査には凝固5項目とATIIIがありますが、この凝固検査について臨床的意義を教えて下さい。

Answer

 臍帯血は新生児の性状を示すと考えられます。臍帯血の止血検査については、新生児の凝固能を反映していると考えられます。

 私どもで行った臍帯血の凝固能の検討では、

PT 84±22 
aPTT 57±24 sec
Fbg 135±53 mg/dl
HPT 45±12 
ATIII 51±9 
Plg 47±8 

という成績でした。おおよそ成人の50%程度の凝固活性を示します。新生児血に関しても同様の活性を示すと考えて良いでしょう。

 ただし、これは正期正産児の場合です。未熟児の場合はこれよりも低値を示します。

 胎盤に炎症がある場合は、Fbgが若干高値を示します。周産期における止血機能については、胎生11週頃から末梢血中に血小板、凝固因子、線溶因子が出現しはじめ、それ以後急速に増加するといわれています。

 V−K依存因子は出生時まで低値が続き、臍帯血あるいは正下時でやや低い程度ですが、生後2-3日で著しく低くなり、新生児メレナはこの状態が強調された場合に起こるものとされています。これらの因子が成人値に達するのに3-6ヵ月必要になります。

 Fbgは胎生5週頃から、第XIII因子は15週頃より産生され始めます。第V因子は胎生12-15週で成人域に達し、第VIII因子も比較的速やかに成人値に達するようです。線溶能は出生まで上昇しつづけ、臍帯血では亢進している場合もあるようです。

 臍帯血は新生児に比し、検体採取が容易であり、検体量も多く採取が出来ます。それゆえに、採血の困難な新生児血ではなく、臍帯血を提出するのではないでしょうか。

 また、輸血用に臍帯血を保存する場合もあるようです。しかし、臍帯血の採取方法によりHt値が変動するようです。また、検体凝固も多いので注意を要します。

(大阪府立母子保健総合医療センター 今吉雄三



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