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| Last Update : 2005.05.06 |
チーム医療推進委員会だより NST部会(栄養サポートチーム)
NST活動
市立岸和田市民病院中央検査部 杉山昌晃
栄養状態の不良は、術後の縫合不全や創傷感染、褥瘡の発生、免疫力低下による感染症併発などの合併症を起こしやすく結果的に入院期間の延長、医療費の増大に影響していると考えられる。これらの問題を解決すべく、各地の病院で栄養サポ−トチ−ム(NST)が組織され活発な活動を行っている。医療の進歩と患者ニ−ズの変化に伴い医師のみでは質の高い医療を提供することは不可能であり各専門職種が参画する“チ−ム医療”が必須となっている。臨床検査技師師がどのようにチ−ム医療に参画するか、臨床検査をどう生かすかは容易なことではない。しかし、チ−ム医療における臨床検査技師の役割は大きくなっている。今回は、NSTについて当院におけるNSTの活動を含めて紹介します。
| NSTとは? | |
Nutrition Support Team(NST:栄養サポ−トチ−ム)は、1970年米国のシカゴで誕生しました。その後、NSTは全米に広がり、さらに他の欧米諸国へと急速に伝播していきました。現在、欧米では半数以上の総合病院にNSTが存在します。1997年までは我が国において、わずか数施設にNSTの設立が確認されているにすぎませんでした。しかし、1998年以降、徐々にNST設立の機運が高まり、2004年8月現在、272施設にNSTが設立されるようになりました。
| NSTの定義(日本静脈経腸栄養学会認定NST) | |
日本静脈経腸栄養学会ではNSTの質を確保するために(このことはNSTを診療報酬加算申請する際に大切な事項となるものと考えています)学会認定のNST設立を希望しています。現在、わが国において活動を行っているNSTのほとんどが当プロジェクトに参加していただいています。
学会では、『NSTの定義』として、(1)当学会のTNTプロジェクト終了医師あるいは医師評議委員がおられ、(2)看護師、薬剤師、栄養士の3職種のうち少なくとも2職種が参加していること(後日これは学会認定栄養サポ−トチ−ム専門療法士を取得している方といたしたいと考えています)、(3)NSTを病院内組織として少なくとも病院長あるいは施設長が認めていることとしています。従いまして代表者あるいは担当責任者の方は学会会員になっていただくことになります。
| NST立上げのプロセス | |
NSTを立上げるためには、
・Metabolic Club(勉強会)の発足
・NSTの効果・有用性の啓発
・院長・院内組織からの承認
・NST運営方式(システム)の導入
・NSTの組織・構築
・メンバ−の選出
・NST業務の設定
・教育システムの導入
などの過程が必要です。(日本静脈経腸栄養学会HPより)
当院におけるNST活動
| NSTの確立 | |
医療スタッフが栄養管理の重要性や栄養障害が、結果的に合併症の発生や入院の長期化に影響していることを十分理解していない。栄養療法が診療科、医師によってバラバラで標準的なものが必要であった事などから、平成14年5月に栄養管理委員会の下部組織として「栄養サポ−トチ−ム(NST)」が発足した。
欧米におけるNSTはいわゆる“専属チ−ム型”で病院組織内にしっかりと確立されていることが多いが、本邦では医療事情もあり専属メンバ−で構成することは難しくPPM形式で構成されている。構成メンバ−は、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、言語療法士、臨床検査技師の総勢30名である。
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| NST活動 | |
NSTの活動としては、チ−ムで全病棟をラウンドするNST回診。あらかじめ提出されたNST依頼用紙を検討し希望するコンサルテ−ションの内容について主治医や担当看護師へアドバイスする。NST回診の内容は、カルテに記載され、分かりやすいように『NST回診』の印が押される。NST回診は、医師、コメディカル、看護師を含めた3〜4人のチ−ムで、1回に2〜3病棟行う。その他に栄養管理マニュアルの作成、各職種のメンバ−が分担して作成にあたった。そして、NST活動の啓蒙を目的とした職員全体の研修会。研修会の講師はメンバ−が担当する。情報交換の場として有意義なランチタイムミ−ティング。このランチタイムミ−ティングでは、メンバ−持ち回りで講師を担当するミニレクチャ−で知識を高め、また検査部では毎週のミ−ティングに全入院患者の血清アルブミン値3.0g/dl以下の患者リストを作成して配布する。ここで栄養状態に問題のある症例を検討し回診の際の参考とする。
NST活動を効率的に行うために各メンバ−をそれぞれの専門性を生かせるように小部会として編成した。NST立上げ時には7つの小部会であったが、平成16年度より
・回診・書類・分析部会
・セミナ−・広報部会
・マニュアル・器材部会
・栄養剤部会
の4つの部会とした。また、褥瘡対策部会は平成15年5月より褥瘡対策チ−ムとして独立して活動を行っている。ただし委員会はNST部会と合同で行っている。
栄養管理と褥瘡発生は全身的、局所的な多くの因子が関与している。適切な栄養管理をせず褥瘡が発生すると入院期間の延長、感染症などの合併症を起こすなど患者さんにとってのデメリットもあるが、病院にとっても経済的負担は大きい。診療報酬の改定でも平成14年10月から実施されている褥瘡対策未実施減算に対し、平成16年4月からは褥瘡患者管理加算が実施された。
♪出来る事からやってみよう♪
医療の進歩と患者ニ−ズの多様性に伴い、より専門的な医療の提供が求められている。NST活動や褥瘡対策など今、まさにチ−ム医療の時代である。技術の向上、知識の習得にとどまることなく患者さんと向き合って如何に我々の専門性を発揮できるかは、検査部、我々検査技師自身の熱意と情熱しだいである。
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